Jazz-Ken(ジャズ研)

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Bill Charlap先生による長い7th攻略

youtu.be

このあいだ投稿したBill Charlapの話題とPaul Desmondの話題に
共通するトピックが見つかったのでちょっとそれについて。
Bill CharlapはこのアルバムでMy heart belongs to daddyを弾いていて
こういう曲は弾くのがとても難しい、という話をしたと思う。
どういうところが難しいか、いくつかあると思うが、
一つあげるとなると、やはりコード進行だ。
トニックとドミナント7ばかりが続く、しかもそれぞれ4小節ずっと、とか、
こういうのはほんとアドリブしにくいのだ。
コードを拡大解釈(リハモ)していろんな要素をぶち込んでやる、
というのはやってやれなくはないが、この曲に関してはそれをやってしまうと
ムードをぶちこわしてしまうだろう。
あくまで曲調を尊重しながらアドリブすることがやはり望ましい。
特にこういう曲をやる場合は。
で、Bill Charlapはどういうアプローチをしているか。
いろいろすばらしいところはあるんだけど、一つ、僕らでも多少参考にできそうなのを
あげるとすると、これがPaul Desmondで触れたモチーフ展開を使っている箇所である。
動画でいうと9:46のところ、キーがF-でそのドミナントC7が続くところである。
弾いたフレーズを1回で終わらせずに反復し、音を少しずつ変えながら発展させている。
その結果、手持ちぶさたになりがちな長い7th箇所もしっかり意味のある
フレージングになってる。最終的にF-の6thあたりに落ち着くあたりもかっこいい。
こういうのって、ただ聴くだけだと、まあふつうにかっこいい、
ということで終わってしまいがちだけど、実はかっこよく仕上げるのが
めちゃくちゃ難しいところ。参考になるー!