Jazz-Ken(ジャズ研)

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Anita O'Dday Love me ore leave me クラシック理論をぶち壊すブルーノート

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アニタオデイの代表作「Anita sings the most」からLove me or leave me。
めっちゃ有名な演奏だが、個人的に印象深い箇所が一つある。
最初C-から始まって途中平行調のE♭メジャーに移ったあと、
ピーターソンがG♭の音を強調したブルースリックを弾くのだ。
キーE♭でブルースリックならG♭はもちろん全然OKの音使いのはずだが、
ここは前半ずっとC-の調性できているわけで、その流れで突然G♭が強調されると
C-からE♭-に平行に動いたような感じになり、突拍子もない転調に聴こえるのだ。

そういえば昔、Gee baby I ain't good to youを最初やったときも似たような戸惑いがあった。
Ⅰメジャー⇔Ⅵマイナー、という動きならごく自然なのに
その両者にブルーノートが絡むことで調性的な飛躍が生まれる、という謎の現象。
ブルースというのはクラシックの掟を平気な顔してぶち壊してくれる強力なツールなのかもしれない。